目を開けると屡雨は暗闇の中にいた。


「な・・っ何ここ??」

屡雨がたっているところには地面がなく、あわてながらも
頭をかかえた。

「なんなのよ〜・・
ここはいったいどこなのよ!!

屡雨が叫んでいると地面に大きく穴が開いた。




「え?
うっうわああああああああああぁっ!!!!




黒闇の中、屡雨の影は落ちていった。



”虹色の笛”






××××××××××××××



屡雨は疑問に思ったことを口に出した。


「はい。スミマセンいいですか。叫んでいいですか??
いつまで落ちるんだよ―――――――!!!!!!!!
この穴はどんなに長いんだ!!!!!

無駄に足が疲れたよ!!何気ない無重力にも慣れちゃったよ!!
私すっげー!!





屡雨は落ちてから何時間も落ち続けていた。
時々
「私が何をしたよ!!」
と、誰に向かって言っているのかもわからずに叫んでいた。


「あれ・・?光が見える・・・
・・・そっかあ・・とうとう私死んだのね。
早くおじいちゃんにあっいたっいな〜♪
うふふ〜・・・」


屡雨は、自分が死んだと勘違いしながら光の中に入っていった。






ドスッッッッッッッ


「っっわあああっっっっ!!!



うおあっ!!



屡雨は人の上に落ちた。


「いったたたたたた・・・」

いってー・・


「あわわっ大丈夫??っと・・この人は・・・・?」

「え?」
屡雨は声がした方を向いた。
するとそこには一人の少女がいた。

「あなたは・・・?」


おい・・

「あ。私はナリナ。あなたは?」

「ナリナさん・・・ですね。私は―・・」
「おい!」

「え」
声がした方を見た。
「お前・・・・俺に気がついてないだろ・・・」

「あ。ごっごめんなさい!!!」

ストンと屡雨は立ち上がって頭を下げた。


「まったく・・・ん?・・誰だあんた?」

「ミツ。ミッツんも気がついてなかったのね・・」
ミツと呼ばれた少年は屡雨をまじまじと見た。
ナリナはミツの様子を見てため息をついた。

「あ。。改めて・・私の名は屡雨です!」

屡雨は、またぺこっと頭を下げた。
ナリナは
「ルウさんだね!よろしくっこっちはミツだよ。さ、ミツ挨拶挨拶♪」
と、言いミツを前に出した。
「『さ』じゃねえよっ。俺は幼児じゃねえ!っと、俺はミツよろしくな。」

「あ。はいよろしくです」


ミツは素直にお辞儀をした
その様子に、ルウもあわててお辞儀をした。
ナリナはその様子を見てにこにこしていたが
表情を変えルウに話しかけた。

「ところでルウさん?ルウさんはどこから来たの?」

「え?ああ私は日本・・・・あ。」

ルウははっとした
自分の前にいる二人の格好は明らかに
今の日本の服装とは思えない。
だからここは地球ではないのだろう
その地球も知らない彼らにましては日本
なんていっても余計に混乱するだけだろう。

「?」
「どうした?」
ミツが声をかけてきた。
「え?あ・・えーと・・信じてくれますか?」

「?」

ルウが言うとミツとナリナは首を立てに振った。

「私、ここでいうと、異世界から来たみたいなんです」

ミツたちの表情がかわった。
「へ?」
ナリナは?マークを頭に浮かばせた。
「どうゆうことだ??」

(やっぱりな・・)
ルウは深呼吸をしてからミツたちにわかるように
話し始めた。
「えっとね。私が住んでいたところは地球というの」

「「・・・」」
二人とも無言で真剣に聞いてくれた。
「その地球というところで突然現れた冷菜っていう子に
魔法みたいなのかけられて・・・・」

「まって!!」

「え」

急にナリナが声をあげた。
ミツも険しい顔になっている。

「え?何?どうしたの?」

「ルウ。」

「え?何ですか??」

ミツがルウに話始めた。

「その・・レイナは・・・何をしに来た?」


「え?なんか・・『巫女の笛が〜』なんとかって・・・」


「やっぱり・・・」


ナリナは、「ふぅ」とため息をついて言った。


「え?何何?」

ルウが眉をよせるとミツがルウに話しかけた。

「なあ、ルウはその笛についてなにか知ってるのか?」

ルウはためらいもなく話した。

「知ってるも何も今持ってるし」


「「ええ!?」」

二人は、相当驚いた感じだった。

「え??何?」

「ルウさん・・それは本当なの?」

「うん、ほら。」

ルウはネックレスをとりだした。


「今はネックレスだけどちゃんと笛だったわ。虹色に光ってた。」


「これが・・・」
ミツはネックレスをまじまじと見た。
ナリナは言った。

「え。まって、どうしてネックレスになったの?」

ルウは、レイナに言われたことを話した。

「んーと。なんか私に力があってその力で笛の形が変わったっていってた。」

「ルウさんの力・・・・・」

「・・・・・ルウこれからどこかにいくのか?」

ミツが聞いてきた。

「あははっ。ここのこともよくわからないのに
旅なんかしたら私死んじゃうよ〜?」

「そうだな・・・」


「ねね、ルウさん私たちのところに来ない?」

「え?」

ルウは、突然ナリナに誘われて混乱したが、
ミツたちと一緒に行動した方が自分のためにもいいかなと思いうなずいた。
ルウがうなずくとミツが言った。

「よし。そうゆうことなら早めに言った方がいいな。
行くよルウ、ナリナ」
ルウは、疑問に思ったことを口にだした。

「まっ・・まって!行くよってどこに!?」

ミツはルウの質問に即座に答えた。

「どこって、大臣のとこさ。戦うなら彼に言わないといけないからね」

「えっ。戦うって私そんなこと言ってないですよ〜!!??」

「いいっていいって。ミツも言ってるんだからさぁ♪」

「いや・・ちょっと!!」


ルウは、
強引につれられて大臣のいる宮殿に向かった





××××××××××××


「う・・わああ・・・・」

ルウたちは、大臣のいる宮殿に来た。
大臣にしてはあまりにも豪華でルウは驚いた。

「よし。ついたぞルウとナリナいくよ」

「は・・・はい」
ルウは緊張気味に答えた。
「うんっ早く行こう!」


ルウたちは宮殿に続く階段を上り続けた。
上っている最中にナリナがルウにそっと話しかけた。

『あの大臣ちょっと変な人だから気おつけてね』

『え?』

ルウはわけがわからないまま宮殿についた。

「おーい!!シムジン!!俺だ!!」

ミツは大声でその大臣の名前であろうものを叫んだ。
すると、階段からそれらしき人物が降りてきた。

!?


”それは”ルウの想像をこえるものだった。
階段から降りてきた”それ”はルウを見るなりこういいはじめた。

「シメジよりもまいたけが好きです。」

「へ?」
「キライなものはプリンです。
そんなシムジンです。どうぞよろしっく」

シムジンと呼ばれた男は、それを言うなり
自分の周りにきらきらとしたオーラを出し始め
握手をするために手を差し出した。
ルウはあまり握手はしたくなかったが手を握った。
瞬間的にルウは思った。

こんなん大臣にしていいんですか・・・・?

ルウがぼーっとしていると隣から
「ほらルウちゃんも自己紹介を・・・」
ナリナが言ってきた。
ルウはそこで我にかえり自己紹介をした。


「あ。私はルウです。
・・・よろしく・・お願いします。」

「はい。こちらこそ」

シムジンは、輝くオーラを周りにだしながら言った。

ナリナがルウにそっと話しかけた。
『ルウちゃんシムジンさん、あれでも58歳なんだって』

ええ!?
ルウたちはミツのうしろでひそひそと話し始めた。
そんなナリナとルウの様子を見てミツは苦笑いをしながら
シムジンの方を向いた。

「それで今日は、シムジンに頼みごとがあって」

「なんですか?私にしかできないことで?」

「ああ。大臣にしかたぶんできないと思う。」

「そうですか・・。それで?」

「ああ。その頼みごとっていうのがルウを軍に入れてほしいんだ」

「そうですか。ルウさんをですか・・・・」

「どうにかならいないか?」

「わかりました。どうにかしましょうでもそのためには
まずルウさんの実力を知らなければ・・」

「そうか・・・・。ルウ!」

ルウはびくっとしながらミツを見た。

「は・・はい!」
「これからルウの実力を調べる」

ルウは目を見開いた。

「実力??」

「そう。だからルウにはそこら辺のモンスターと戦ってもらう。」

ルウはこんどは目を丸くして質問した。
「そこらへんのって・・・それで私が死んだらどうするの?」

ミツはにこっと笑いかけて言った。
「大丈夫そうなる前に俺らが助ける。」
ルウはナリナの方を見た。
ナリナもうんうんと頷いていた。
「う・・わ・・わかった」

「よしっ。じゃあセレサの森にいくぞ」

ナリナはにこにこしながら大丈夫だよと
ルウに言いきかせていた。





――――――あとがき―――――


いやー。やっと3人出てきましたよー!